株式会社ハブは、英国風PUBチェーンである「HUB」と「82ALE HOUSE」の経営を行っている企業です。ロイヤルホストやシズラーなど外食チェーンを展開する「ロイヤルホールディングスグループ」が主要株主となっています。2019年4月には、福岡ヤフオク!ドーム内に「HUB福岡ヤフオクドーム店」をオープンし、日本で初めてスタジアム内に英国PUB業態を出店させたことが話題になっています。そこで今回は、株式会社ハブの取り組みや事業内容について詳しくご紹介していきましょう。
株式会社ハブの概要
株式会社ハブは、資本金6億3,100万円で1998年5月に設立されました。代表取締役社長は「太田剛氏」、本社は東京都千代田区外神田に所在しています。全国に所在する店舗数は109ヶ所にも及び、従業員数は317名です。太田社長は、英国PUB文化を日本に広く普及させるために「感動文化創造事業」を展開し、英国風PUBを通してたくさんの顧客に感動を与えることを目指しています。
本場英国に展開するPUBは、数百年の歴史があり家や会社とは違ったコミュニティ環境を人々の暮らしや文化の中に根付いてきたものです。これをハブ創設者である故 中内功氏が、1980年に神戸三宮に感動文化創造事業として英国風PUBを普及させたのがきっかけとされています。今後も、株式会社ハブは各拠点で生まれる顧客の感動を積み上げ、日本の暮らしや社会を豊かなものにしていくことを創造し続けることでしょう。
株式会社ハブの沿革
株式会社ハブは、1998年5月にダイエーグループの持株会社である「株式会社ダイエーホールディングコーポレーション」が子会社として設立した企業です。ここで、企業が設立するまでの経緯や設立してからの沿革についてご紹介していきましょう。
- 1980年3月 ダイエー創業者である中内功氏が渡英した際、英国PUB文化に触れたことをきかっけにグループ内で事業化し、日本に普及
- 1980年4月 神戸三宮に1号店「HUB神戸三宮店」がオープン
- 1980年8月 HUB店舗が東京進出(六本木店)
- 1986年11月 旧ハブが解散し、株式課会社キャプテンクックへ事業継承
- 1998年5月 株式会社ダイエーホールディングコーポレーションが株式会社ハブを設立
- 1998年8月 会社設立時、東京都新宿区に所在していた本社が東京都足立区千住に移転
- 1998年9月 株式会社りきしゃまんから15店舗の英国風PUB「HUB」の営業を継受
- 1999年4月 大型商業施設「東京オペラシティ」に店舗オープン
- 2002年12月 21LADY株式会社の持分法適用関連会社になる
- 2004年3月 東京中央区築地に本社を移転
- 2005年9月 「82」1号店が神田にオープン
- 2006年4月 ヘラクレス(大阪証券取引所)に株式上場する
- 2010年2月 ロイヤルホールディングス株式会社の関連会社になる
- 2010年7月 現本社である東京都千代田区神田に本社を移転
- 2013年3月 第21回優良外食産業表彰 新規業態・人材育成部門(農林水産省主催)の大臣賞を受賞する
- 2017年4月 出店数100店舗を達成する(2017年11月時点で「HUB」88店、「82」15点を展開)
株式会社ハブの事業内容
株式会社ハブは、創業以来30年以上に渡り英国風PUBを全国展開してきた企業です。中でも関東を中心に、関西・名古屋・仙台に約100ヶ所のチェーン店を展開しています。事業内容は「HUB」や「82ALE HOUSE」の経営ですが、単なる飲食事業とは異なります。日本に新しいアルコール文化をもたらすために、スポーツや音楽など新しいキーワードを取り入れ、感動体験の場を提供する企業です。PUB文化を日本に普及させて多くの顧客に感動を与えることを目指した、オリジナル企画・運営を担う企業とも言えるでしょう。
英国発祥のPUBとは「Public House」が語源であり、店舗メニューはお酒がメインとなっています。我が家と思えるようなくつろぐことのできる空間で、気の合う仲間とお酒を楽しみながら感動に触れる機会を提供しています。
株式会社ハブの取り組みや今後ビジョンについて
コミュニティの場として機能を持った「HUB」は、お酒やおつまみを楽しむことはもちろん、目に見えないサービスや体験を提供することを大切にしています。顧客が「また来たい」と思えるような空間を作り上げるために、愛される地縁店を目指しているのです。その一環として株式会社ハブでは、英国研修やハブ大学訪問などの研修制度を設けています。
これは「本場のPUBを知らなければ、本物のサービスを提供できない」と考えた結果導入した制度です。新入社員に必ず渡英し、現地でPUB文化を体感してもらいます。従業員のためにしっかりと体系化されたシステムを導入することで、株式会社ハブの離職率はわずか10%という業界内でも非常に低い数値を保っています。
まとめ
現在日本の飲食業界は、流行り廃りが激しい傾向があります。これは、顧客のニーズが多種多様にあり、店舗側が世の現状に合わせようとしているため、時代の流れに沿えなくなってしまうことも少なくありません。株式会社ハブは、そんな厳しい飲食業界の中であえて多角的な視点をせず「英国風PUB」という他社にはない単一業態にこだわり続けています。認知度はまだ50%に満たない状況ですが、独自戦略によって店舗数や売上は着実に増えています。株式会社ハブは、これからも地域密着型の地縁店を日本各地へ展開させていくことでしょう。
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