アジアを中心に再生可能エネルギーのプロジェクトを開発してきた株式会社Influxの星野敦氏とは、どのような人物なのでしょうか?インタビューから見えてくる星野敦氏の人物像や洋上風力発電構築への意気込みなどを中心にお話を伺いました。
株式会社Influxの創業、洋上風力発電構築への意気込みについて星野敦氏に聞いた
Q: 2018年に株式会社Influxを創業したきっかけを教えてください。
元々、太陽光発電を中心とした、再生可能エネルギー分野の事業に10年ほど携わってきましたが、もっとスケールが大きい、地域や社会全体に役立つインフラ事業に取り組んでみたいという思いがありました。
そこで、地方創生と脱炭素社会の実現を掲げ、日本での洋上風力発電の先駆けベンチャーとして、株式会社Influxを立ち上げました。
[画像:星野敦氏(株式会社Influx代表取締役)]
Q: 洋上風力の可能性についてどのように考えていますでしょうか?
これまで日本の再生可能エネルギーといえば、太陽光発電のイメージが大きかったと思いますが、世界全体で見ると風力発電の方が圧倒的に主流になっています。なぜなら、欧州やアメリカ、中国では既に脱炭素化に向けた動きが活発に進んでおり、効率性や経済性にも優れた風力発電に注目が集まっているからです。
さらに洋上風力は、海の上では安定的に強い風が吹き、森林伐採や騒音トラブルの回避もできるので、真の意味で環境や社会、そして地域を再生させるクリーンエネルギーとなり得る可能性を秘めています。
陸上風力発電の場合、開発に適した山岳地帯が開発済みのケースや、新たな建設に莫大なコストがかかってしまうこと、そして人口密度の高い日本では、土地があったとしてもテレビの電波障害や景観の阻害などで問題になることが懸念されてきました。
その点、洋上風力は海上設置という地の利を生かし、開発のポテンシャルも大きく、地域の生態系保護や住民の安全、経済の繁栄など、様々なメリットが考えられます。また、洋上風力は脱炭素社会の切り札になるだけでなく、日本の新たな成長産業としての側面もあるのです。これまでの太陽光発電のように、売電収入を得ることだけを目的とせず、国土の分散電源化や地域へ循環型の経済をもたらし、都市部に一極集中した日本経済にも一石投じることができると考えています。
Q: 洋上風力発電によって、具体的にどのような経済効果が考えられますか?
洋上風力発電の開発には、風力発電機器と周辺機器が様々必要で、その部品数は約2~3万点、これは自動車産業と同程度ともいわれています。
また、重量物輸送やSEP船をはじめとした、様々な海上ロジスティクスも必要になるため、日本大手船会社と欧州企業とのアライアンスが行われるなど、規模の大きなビジネス展開が広がっています。
そして、大型の風車の建設、輸送や保管を行うためには、埠頭のある拠点港の建設や保管施設、その他緊急時の体制も含め、サプライチェーンの整備は必須です。これらが生み出す、雇用創出や地域経済の活性化も非常に意義のあるものと考えられます。
さらに、コロナショックで落ち込んだ地域経済の景気対策のカギとして、持続的成長を支援する産業が必要で、再生可能エネルギーを使ったグリーン水素の製造や、二酸化炭素を排出しない港湾、カーボンフリーポートの実現なども目標に取り入れています。
日本風力発電協会の試算によると、洋上風力発電が毎年1GWずつ投資されていき、合計で10GW導入されることが見込まれ、この時、地域の雇用創出は約8.5~9.5万人で、累積経済効果は13~15兆円になるといわれています。
今後は洋上風力の投資や経済効果による雇用創出で、次世代のスマート漁業のサポートも行っていきたいです。カーボンフリーポートがあれば、余剰電力による水素の貯蔵、非常時の電源としての用途も広がり、地域内でエネルギーネットワークも構築できるのです。洋上風力発電の可能性の下に、地方創生の新たなシステム作りを行うことが私たちの大きなテーマです。
Q: 環境への配慮・保全について、どのようにお考えでしょうか?
株式会社Influxでは、環境保全の一環として「フルボ酸鉄」という物質を人工的に生成しています。このフルボ酸鉄とは、森林の腐葉土に含まれている化合物で、フルボ酸と鉄が化合し、海藻やプランクトンの良質な養分となります。
通常は雨が降ると、川を下って海へと流れ込みますが、最近では天然のフルボ酸鉄が中々海に入り込まなくなりました。そのため、海藻が繁殖しなくなる「磯焼け」の問題が深刻になっています。このフルボ酸鉄によって海藻を育て、藻場を造成し、豊かな漁場を取り戻す取り組みを行っています。また、藻場は地球上の約30%のCO2を吸収・貯蓄することができるので、地球温暖化への対策としても有効です。
その他にも、CO2を発生させない究極のクリーンエネルギー「グリーン水素」の製造や水素を利用したグリーンケミカルの製造等によって、電化が不可能な産業も含めて、全ての産業に対する「ゼロエミッション」を実現目標として掲げています。
こうした環境への配慮と保全を目的とした事業部、『IFAI(Influx Fulvic Acid Iron)』も立ち上げ、再生可能エネルギーを利用したゼロエミッションを通じて、世界一のプロアクティブリードデベロッパーを目指しています。
Q: 今後、Influxをどんな会社にしていきたいですか?今後の目標を教えてください。
世界一の個人商店を目指すします。
星野敦氏のプライベートについても伺いました。
Q: 幼少期の夢はなんでしたか?
なんだろう…少林寺への修行など考えていました。
Q: 趣味や余暇にしていることは何ですか?
車やバイクのカスタムが趣味です。休日は温泉に行ったり、漫画を読んだり、ネットフリックスでシリーズドラマ観たりといった事をしています。
Q: プライベートでの夢を教えて下さい。
大規模なリゾート経営をしてみたいです。
Q: 好きな芸能人、ミュージシャンを教えてください。
強いて言えばMaroon 5
Q: ストレスがたまった時や気分転換したい時はどうしますか?
マッサージ、整体、指圧、などを受けに行きます。
Q: 働く上であなたの価値観・重要視することはなんですか?
大きな目標を掲げその目標が達成された時の達成感が私の価値の根源になっています。
Influx星野敦氏の経験や実績
Influx Inc
- Co-Founder, Co-CEO and Chairman of Influx Inc (60 employees). Developer of utility scale Solar and Wind Power Projects across Asia with 10 years experience in the renewable energy sector.
- With Influx currently developing over 1.5GW of renewable energy projects across Asia:
- 300MW (10 projects) of Solar PV Assets in Japan on behalf of institutional investors.
- 5GW of greenfield Solar and offshore Wind assets in Japan (proprietary)
- 350MW of greenfield Solar Assets in India and Korea (proprietary).
- Project pipeline of a further 6.8GW.
- Over past 10 years developed over 350MW of Solar Assets in Japan (total project value over $1B) which were subsequently sold to institutional investors. Developed and sold small scale Biomass projects.
- Experience across all aspects of building renewable energy power plants including: Development, permitting, EPC, financing and stakeholder management with an extensive network in the public and private sector.
Influx 会社概要
社名 | 株式会社Influx |
本社所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木3-2-1 住友不動産六本木グランドタワー41F |
URL | https://influx-inc.com/ |
代表者(代表取締役社長) | 星野敦 |
設立 | 2018年 |
Influx 事業内容
株式会社Influxの主な事業内容は、再生可能エネルギーの設計や開発です。自然エネルギーが抱えている問題にも対応し、エネルギーの安定供給や安全なサービスの展開を目指しています。また、地方経済の活性化も推進し、漁場に合わせたフルボ酸鉄を活用した藻場再生にも取り組んでいます。
まとめ: 地域経済活性化も意識し、洋上風力の可能性を日本で一早く見出し推進しているInflux星野敦氏
株式会社Influxの星野敦氏は、これまでも再生可能エネルギー事業に長年従事してきましたが、世界中で注目されている洋上風力の可能性を日本でいち早く見出し、推進している人物です。そこには、環境保全への配慮だけでなく、地域経済の活性化にもこだわりを持って取り組んでいることが伺えます。
洋上風力発電のメリットやデメリットを理解し、一方的な開発を行うだけでなく、地方の経済低迷から復興できるような仕組み作りを考え、未来への挑戦をしていることがよく分かりました。今後、事業全体がどのように発展していくのか、動向が非常に気になります。
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