日常生活やビジネスの現場で、重い荷物をスムーズに運ぶために欠かせない「キャスター」。そのキャスター製造で国内トップクラスのシェアを誇るのが、東京都中央区に本社を構える「株式会社ナンシン」です。
創業から90年以上の歴史を持ち、物流機器や台車などの製品開発にも注力している同社は、BtoB市場を中心に多くの企業から信頼を得ています。
本記事では、株式会社ナンシンの企業概要や事業内容、製品の特長、採用情報、そして今後の展望について詳しく解説します。
株式会社ナンシンの概要
まずは、株式会社ナンシンの基本情報を見てみましょう。
会社名 | 株式会社ナンシン |
代表取締役 | 諏訪 隆博(代表取締役社長) |
設立 | 1947年10月 |
所在地 | 【本社】 〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町1-17-4 JPR人形町ビル |
事業内容 | ・キャスター事業 ・物流機器事業 |
公式サイト | https://www.nansin.com/ |
株式会社ナンシンは、キャスターや台車などの搬送機器を製造・販売する企業で、国内外で高い評価を得ています。1947年、ナンシンの前身となる「株式会社南進ゴム工業所」の設立から約80年にわたり、キャスターや台車といった搬送機器の専門メーカーとして業界をけん引してきました。
その歴史は日本の高度経済成長期と共にあり、国内の物流や製造業の現場で求められるニーズに応えながら技術を磨いてきた軌跡でもあります。
ナンシンの製品は、国内の工場や倉庫はもちろん、空港、病院、商業施設といったさまざまな現場で採用されており、年間数千万個にのぼるキャスターを生産しています。業界シェアは国内トップクラス。特に「静音性」「耐久性」「耐荷重」に優れた設計が評価され、物流現場の声を反映した商品開発に強みを持っています。
また、早くから海外市場にも目を向け、マレーシアや中国・蘇州に自社の生産工場を設立。アジアを中心にグローバルな生産体制を構築しています。これにより、コスト競争力を確保しつつ、品質面でも日本基準の管理体制を維持。現地での需要にも迅速に対応できる柔軟なサプライチェーンを実現しています。
さらに、ナンシンは「品質第一」を徹底しており、国際規格であるISO9001(品質マネジメント)とISO14001(環境マネジメント)を取得。国内外のあらゆる現場で“安心して使える製品”として信頼を得ています。安全性や機能性はもちろん、環境負荷の少ない素材や工程の採用など、持続可能なものづくりにも積極的に取り組んでいます。
技術、品質、国際展開。そのどれもが一過性ではなく、積み重ねてきた“実績と信頼”に裏付けられたナンシンの強みです。中小規模の工場から大手メーカーまで、数多くの企業がナンシンの製品を選び続けている理由は、そこにあります。
ナンシンの事業概要と技術力
コーポレートメッセージには、「私たちのキャスターは、単なる移動手段ではありません。」という印象的な言葉が書かれており、自社のキャスター「挑戦を支え、未来へとつながる土台」と位置付けています。
時代が変わればニーズも変わるのが常ですが、その中であらゆる現場や用途に対応できる堅牢さと革新性を追求していき、頑丈・革新的・サステナブルといった時代に合ったニーズを満たすキャスターを作り続けているのです。
そんなナンシンの事業は大きく分けて「キャスター」と「物流器機」といった2つの事業に分けられます。ここでは、その2つの事業について詳しく見ていきます。
キャスター事業|信頼される足回りのプロフェッショナル
ナンシンは、国内のキャスターメーカーとしていち早く海外展開をスタートし、日本に加えてマレーシア・中国に自社工場を構え、グローバルな生産体制を確立しています。
物流現場や医療ベッドに使われる標準的なキャスターから、自動搬送システム(AGV)向けの高性能モデルまで、幅広いラインナップを持ち、業界内でも高いシェアを誇っています。
「ナンシンのキャスター」といえば、その使い心地や耐久性を信頼するユーザーの口コミも多く、多くの人に愛されている製品だということがわかります。
やっぱり、キャスターはナンシンしか勝たんな❗
親友宅から貰った中古のゲーミングチェアのキャスターがヤレていたのでホームセンターで国産キャスターを買って打ち替えました。M12の並目はタップも買いやすくて助かります。#diy #ゲーミングチェア pic.twitter.com/tqqG6oWnUl— スーパージムニー大好き (@shiro_stella) January 7, 2024
荷主様の容赦ないタイル攻撃でカルティオ破損💦
明日替えのキャスター届くまで蛇行しながら我慢します💦
10年使っても全く壊れなかったナンシンに戻そうかな? pic.twitter.com/2jsZw0aBpn— ミドリムシ@巻き爪腰痛完治の老害🔰 (@greenPickGo) October 12, 2023
その強みは、長年の経験から生まれた品質へのこだわりと、現場のニーズに対応する開発力。たとえば衝撃を吸収する構造や、走行性を高める軸設計など、ナンシンならではの工夫が詰まっています。
「動かす」を支える足元の技術で、社会のインフラや産業を下支えしている事業です。
物流機器事業
ナンシンが展開する物流器機事業では、現場での使いやすさを追求した台車や運搬車を製造しています。中でも、静かさに特化した「サイレントマスター」は、オフィスや病院、図書館など、音が気になる環境で高く評価されています。
キャスター専門メーカーならではのノウハウを活かした設計で、「軽い力で動かせる」「音が静か」「丈夫で長持ち」といった、日々の作業を快適にする要素をしっかり押さえています。その使い道は業務用途にとどまらず、買い物やレジャー、マンションの共有スペースなど、暮らしのさまざまな場面にも広がっています。
単に「物を運ぶ」だけでなく、「誰でも快適に使える」という視点でつくられたナンシンの物流器機は、現代のライフスタイルにもフィットする製品です。
サイレントマスター
画像引用:https://www.nansin.co.jp/silent_master/ncc/
ナンシンの「サイレントマスター」は、作業中の騒音問題を軽減することを目的に開発された静音キャスターのハイグレードラインです。
シリーズ名の通り、”静かさ”にフォーカスした構造設計が最大の特徴で、公共施設、医療・福祉現場、ホテルや商業施設など、静寂が求められる空間で真価を発揮します。
静かで流れるような動作の微音キャスターを装着しており、騒音や環境基準値40dBをパスした静音性を持ち合わせています。
車輪には衝撃吸収性に優れた素材を採用し、回転音や床面との接触音を大幅にカット。加えて、高精度なベアリングを組み合わせることで、滑らかな動作と軽い操作感を両立しています。
さらに、耐久性にも妥協せず、ハードな使用環境下でも高いパフォーマンスを維持できる構造を採用。耐荷重性や耐摩耗性にも優れており、静音性と実用性を高次元で両立したプロ仕様の製品群です。
音を抑えながら、働く人のストレスも軽減する。サイレントマスターは、現場の快適さと作業効率の両立を目指す現代の物流・施設運営に最適なソリューションです。
株式会社ナンシンについて、どんな口コミがあるか
取り扱っている製品は上の形ですが、実際のところ、会社の製品や体制については、どのような評判があるのでしょうか。調べてみました。
休日休暇
ナンシンで働いたことのある人の休みについて、調べてみたところ下の口コミが見つかりました。
土日祝は休めました。それから有給休暇も労基法通りにはもらえてたので並みかなと思っています。 作業場は、所属により土日祝も通常通りに勤務で交替制ですから注意が必要です。
完全週休二日制であるからと考えられますが、基本給が安いと感じる人もいるかもしれません。安定した地盤で働きたい人にとっては、うってつけですが、稼ぎたい人は少し残業して頑張りましょう。
作業場で働く人の担当によっては、土日出勤の場合もあるようです。
社内制度
スキルアップ、知識取得のための社内制度があるようですので、経験を積みたい人には良い地盤があるようです。
組み立て・射出成形を対応していたのですが、キャスターのメカニズムに明るくなれた。また、射出成形については、金型絡みの知識を獲ることができ、製造業界で応用可能なスキルだと感じています。
一定サイクルで勉強会も実施されているので、キャスターに関係する知識を習得するタイミングがホントに多い。集まりでゴルフと野球がありますが、参加したこと無いです。よく、誘われます。
自分はモノづくりが好きだったので、若いうちに、色々経験が出来たのは良かったと思っています。ただ、社歴とともにモチベーションが落ちてしまう人もいたので、年配の人ほど、キャリアづくりを真剣に考えていたようです。
色々勉強し、経験が詰める分、キャリア設計を考えながら働くのが吉、のようです。
年収・給与(給料)・ボーナス(賞与)
安定して働きたい人にとっては、良い環境のようです。
賃金体制は過去は日給月給制でしたが、ここ数年月給制にチェンジされた点では、グッドだったと思います。どうしても、早退や欠勤をする他ない事もあるので便利です。
みんなでハワイ旅行に連れて行ってもらえました。ボーナス、決算賞与、普通にもらえます。昇給もそれなりにありますの。色々思うこところはありましたが、自分は満足してます。
しかし、たくさん収入を得たい人は、実績を残したり、ちょっと残業を頑張ったりとそれぞれ工夫しているようです。
労働時間・勤務時間・残業
担当によっては早出する場合もあるらしく、業務に集中する時間がいかに作れるか、皆考えているようです。
就業時間は規則正しい時間帯だと思います。スタートする時間も早すぎず、遅すぎず、やり易いと考えます。交代制はなく、朝、出荷を完了させるために、早出をする必要があるので、平日の自分の時間があまり持てません。
残業することもあるので、早く帰りたかったり、家族がいたりする人は、仕事のこなし方を工夫したりしていました。
他には、株式に関するこんな口コミもありました。
株式会社ナンシンの分析です。https://t.co/gceYlV3y8p 積極的な投資は控えており、成長は一段落したようです。事業では継続して稼げており、“安定・成熟期”にあると言えるでしょう。
— バリュエーションマトリクス (@valuationmatrix) April 26, 2019
口コミの所感
上の口コミを見る限りでは、特に社内体質が悪化している様子も無さそうでした。手堅い業界なので、商品開発や社内整備を整えるという点には、配慮があるようです。
株式会社ナンシンの採用情報
ここでは、株式会社ナンシンの採用情報を紹介します。新卒採用・中途採用どちらにおいても、公式サイトの採用ページからエントリーが可能なので、働いてみたい方は公式サイトを確認してください。
また、ナンシンではエントリー前の工場見学も歓迎しています。もしエントリー前に見学を希望する場合は、公式サイトの募集要項に記載されている採用担当の方に電話相談をしてみてください。
新卒採用
職種 | ①メッキ設備技術者
②メッキ製品開発業務 |
仕事内容 | ①メッキ設備技術者 ナンシンが開発した「電気鋳造プラント」から、 精密なパイプを製作するための設備管理やメッキ液のメンテナンス ②メッキ製品開発業務 |
応募資格 | ① 専門学校卒業以上 ※必須条件 化学分野、電気機器分野、金属組成分野のいずれかを専攻 ※歓迎条件 ② |
勤務地 | 本社工場 または 山形営業所 |
勤務時間 | 8:30~17:15(休憩時間:60分) ※一部部署を除く |
給与 | 185,000円~190,000円 ※専門知識を有す場合は10,000円増額 |
休日・休暇 | 年間休日:123日/週休2日制(土、日曜日) GW休暇、年末年始休暇、夏季休暇、年次有給休暇など |
株式会社ナンシンの新卒採用は、メッキ設備技術者とメッキ製品開発業務の2つの職種での募集となっています。メッキ設備技術者は学部不問ですが、メッキ製品開発業務の方は工学部や理学部で化学分野・金属組成分野のどちらかを専攻した人しかエントリーできないため注意しましょう。
上記の条件に合致していれば、男女問わず活躍できる職場です。
専門学校卒業以上が新卒採用の募集枠となっていますので、高卒でナンシンに入社した場合はハローワークでの募集を確認してください。
中途採用
職種 | ①生産技術
②工場経理 ③購買 ④営業 |
仕事内容 | ①生産技術 社内生産設備の企画から設計、現場投入までの一連の設計開発業務 および現場でのトラブルシューティング ②工場経理 ③購買 ④営業 |
応募資格 | ①・②不問
③対面のビジネススキルをお持ちの方 ④英語に抵抗がない方 共通:普通自動車運転免許・通勤用 |
勤務地 | 本社工場、駒ヶ根工場、山形営業所 |
勤務時間 | 8:30~17:15(休憩時間:60分) ※一部部署を除く |
給与 | 200,000円~400,000円 |
休日・休暇 | 年間休日:123日/週休2日制(土、日曜日) GW休暇、年末年始休暇、夏季休暇、年次有給休暇など |
中途採用では、生産技術・工場経理・購買・営業といった4つの職種で人材を募集しています。どの職種でも資格等は不問となっていますが、購買職は社外とのやり取りが多く発生し、購入先に出向くこともあるため、対面のビジネススキルが求められます。
また、営業職に関しても同じように企業間のやりとりが発生します。株式会社ナンシンには海外のクライアントも多く、半年に1度程度の海外出張があるため、英語のスキルを活かした仕事をしてみたい人にもおすすめです。
まとめ|株式会社ナンシンの「動かす」を支える、確かな技術と信頼
キャスターという一見地味な製品に、ここまで深い技術とこだわりが詰まっている。株式会社ナンシンの取り組みを知ることで、そう感じた方も多いのではないでしょうか。
創業から80年近く、ナンシンは物流や製造、医療、商業などあらゆる現場で「安全に、静かに、確実に動かす」ための製品を提供し続けてきました。
その背景には、現場の声を拾い続けてきた姿勢と、国内外に広がる柔軟な生産体制、高い品質を保つものづくりへの徹底したこだわりがあります。静音台車やAGV対応キャスターなど、時代のニーズに応じて進化を重ねている点も大きな強みです。
今後も「移動を支える技術」の最前線を走り続けるナンシン。インフラを支える足元の技術に、さらなる期待が集まります。
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