アイリスオーヤマ株式会社の挑戦:小さな工場から世界的な企業へ成長した秘密

irisohyama メーカー

アイリスオーヤマ株式会社は、宮城県仙台市に本社を置く企業です。生活用品の企画、製造と販売を手掛けており、グループ全体で6000人以上の従業員数を誇る企業です。グローバル展開も積極的に行い、国内外で広く名前が知られています。

今回は、アイリスオーヤマの成長の軌跡と成功戦略、イノベーションへの取り組みやグローバル展開などについて、詳しく見ていきたいと思います。

アイリスオーヤマ株式会社の企業概要

まずは、アイリスオーヤマ株式会社の企業概要を確認していきましょう。

会社名 アイリスオーヤマ株式会社
(IRIS OHYAMA Inc.)
代表取締役 代表取締役社長 大山晃弘
設立 1971年4月
所在地 【本社】
〒980-8510
宮城県仙台市青葉区五橋2-12-1
事業内容 【BtoC事業】
家電・食品・収納・インテリア・ペット・ハード・園芸・ハウスウェア・ヘルスケア

【ネット通販事業】

【BtoB事業】
LED照明事業・業務用家具事業・ロボティクス事業・IoTソリューション事業・建装事業

【海外事業】

アイリスオーヤマは、家電、寝具、インテリア、園芸用品、ペット用品など、多岐にわたる製品を製造・販売しています。特に、プラスチック製収納ケースや LED 照明器具、ペットフードなどは、市場シェアの高い製品として知られています。

本社は宮城県仙台市ですが、国内外に多くの生産拠点を抱えているため物流面でも強みを持つアイリスオーヤマ。日本国内には14社、中国に9社、ヨーロッパに2社、そしてアメリカ・韓国・ベトナム・台湾・タイにそれぞれ1社ずつのグループ企業があります。

アイリスオーヤマ株式会社の経営理念と企業文化

アイリスオーヤマの経営理念や企業文化の中核には、大山健太郎会長の「ユーザー目線」の経営哲学があります。「あったらいいな」をカタチにする製品開発を重視し、常に顧客ニーズを第一に考えています。

社員教育では、若手社員の意見を積極的に取り入れる風土があり、新入社員でも重要プロジェクトに参加できる機会が多くあります。また、社内公募制度を通じて社員の挑戦を促し、能力主義の人材育成を実践しています。

顧客第一主義は、製品開発だけでなく、アフターサービスにも徹底されており、顧客の声を直接聞く機会を大切にしています。この姿勢が、市場ニーズに合った製品開発と顧客満足度の向上につながっています。

アイリスオーヤマの成長の軌跡を振り返る

アイリスオーヤマの創業は1971年。大山ブロー工業株式会社という名称で設立されました。元々は東大阪の下請け企業でしたが、産業資材メーカーとしてスタートします。

設立から間もなくオイルショックが起こり、アイリスオーヤマも苦境に立たされることとなります。しかし、1981年から参入した園芸用品で見事にガーデニングブームを牽引。苦境を乗り越え、プラスチック製品への進出を機に急成長していきます。

特に、1990年代のペット用品市場参入と、2000年代のLED事業開始は大きな転機と言えるでしょう。収納用品として誰もが知っている「クリア収納ケース」は、アイリスオーヤマが世界初で発表したもの。その販売数による著しい企業成長でも知られています。

アイリスオーヤマが急成長を遂げた要因としては、ユーザーニーズに徹底的にこだわった製品開発、スピード経営による迅速な意思決定、そして多角化戦略が挙げられます。これらの要素を大事にした結果が、市場で支持される製品となって現れています。

アイリスオーヤマの成功戦略とは?

先ほども触れたように、アイリスオーヤマの成功を支える最大の要因はユーザーニーズに徹底的にこだわる製品開発と言って良いでしょう。「ユーザーインの発想」を重視し、常に顧客の立場に立って「あったらいいな」という製品を具現化することに注力しています。顧客の声を重視し、潜在的なニーズを発掘することで、常に市場の先を行く製品を提供し続けているのです。

また、アイリスオーヤマは「グローバル業態メーカーベンダーシステム」というビジネススタイルを実現し、強みとしています。「メーカーベンダー」とは、メーカー機能と問屋機能を合わせ待つ独自の業態のことをいいます。自社で企画・製造・販売までを一貫して行うことで、市場の変化にもスピーディーに対応し、効率的な生産と販売を可能にしています。

スピード経営と迅速な意思決定も、アイリスオーヤマの強みの一つです。ロングセラー商品を抱えながらも、年間1000点以上の新商品を毎年開発・発売しているアイリスオーヤマ。毎週月曜日午前中に新商品開発会議が開催され、午前中に決定したことが午後の商談・業務に活かせるようにと進みます。

イノベーションへの取り組み

2009年から本格的に家電事業に参入したアイリスオーヤマですが、豊富な知識とノウハウを持っている大手家電メーカー出身のベテラン技術者を採用し、自社のアイディアと技術を組み合わせることで生活者の不満を解決する新商品を開発し続けています。

高い技術を持つ人材が集まっている大阪と東京にそれぞれイノベーションセンター(大阪)とアンテナオフィスにR&D(研究開発)センター(東京)を設置し、研究開発と品質管理に力を入れ続けています。

また、こうしてアイリスオーヤマが日本の優秀な技術者の雇用と活躍の場の提供を行うことは、海外家電メーカーへの技術の流出を防ぎ、日本の家電業界を繁栄させることにも繋がっています。

グローバル展開にも積極的

アイリスオーヤマはグローバル展開にも力を入れています。海外向け商品でも「ユーザーイン」発想を大切にし、各国のニーズに合わせた商品展開を行っているのが特徴です。

アイリスグループで国内外に所有している32工場のうち18が海外にあり、そこに在籍する従業員のほとんどを現地で採用しています。とくに中国には10の工場があり、それらの工場への日本からの出向者は合計で21人ほど。(2020年時点)その他5,000人以上の人材は現地で採用された人々です。

このように、積極的に現地の人材を採用するのにも、「ユーザーイン」を徹底するための要素が含まれています。現地の顧客ニーズをいち早く掴むには、より現場の声が重要だと考えているためです。

まとめ

アイリスオーヤマ株式会社は、創業以来、顧客のニーズを重視した製品開発と高品質管理を徹底することで、国内外で広く知られる企業へと成長しました。

今後も、持続可能な成長と社会貢献を目指し、新たな挑戦を続けていくことでしょう。アイリスオーヤマの未来には、大きな期待が寄せられています。

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