社会福祉法人「どろんこ会」とは?
どろんこ会は、社会福祉法人で保育・教育サービスを展開している会社です。しかし、どろんこ会はただの託児サービスとは違います。どろんこ会は「子供を預かる」という従来の託児サービスの概念ではなく、「こどもの人間力を育む」ことをモットーにして運営されています。子供が主体性を持って自分たちで考えながら行動できる、そんな人間に育つように野外体験学習を積極的に取り入れているのです。
待機児童問題が取りざたされている昨今、子供を託児して貰える場所に入れるのが精いっぱいで、なかなか保育の充実性まで考えてあげれられない保護者も多いのではないでしょうか。また現場でも預かり児童が多くパンク状態のマンモス保育園が多くあり、子供の安全を確保するのがやっとで1人1人に向き合って育てていくのが難しいという実情もあります。どろんこ会はそんな現代の保育現場に一石を投じた、革新的な保育サービスを提供しているのです。
どろんこ会はなぜ出来たのか
どろんこ会を立ち上げたのは理事長の安永愛香さん。若くしてこのような大きな育児・教育サービスを拡大させていった裏に、理事長安永さんの切なる思いが込められています。
「にんげん力を育てたい」
これから先子供たちが成長していく上でぶつかる壁から逃げて欲しくない、壁に立ち向かい前を向いて挑戦していく力を持ってほしい、と安永さんは考えました。また子供たちがにんげん力を持つために必要なのは「体験」であり、どろんこ会の職員である保育者はどんな体験が子供の成長に必要なのかを常に考えていく立場にあるとも話しています。
「コミュニケーションをとれる人間になってほしい」
スマホをはじめネットサービスやSNSが急激に発達した現代、人に直接自分の意志を伝える機会が少なくなってきました。そのためどろんこ会では自分の気持ちや感情を他者と共有するすばらしさを身に着けてほしいと、コミュニケーションの重要性を教えていける保育を志しています。
「先生が偉い、という保育からの脱却」
園に入ればその園の色に染まらなければいけない、そんな保育在り方に安永理事長は疑問を感じ「親も保育者も一人の人間として、子供にとって良いことも悪いことも自由に与えていける場が必要だ」と考えました。このような保育・教育理念のもと、理事長である安永さんを筆頭にどろんこ会で最初の保育園である「朝霞どろんこ保育園」が作られたのです。
どろんこ会ではどのような保育が行われているのか
では実際にどろんこ会がどのような保育・教育環境作りを行っているかをご紹介していきたいと思います。
(1)センス・オブ・ワンダーの保育
畑仕事や稲刈り、園内で飼われているヤギのお世話を通して自然と沢山触れ合える機会を持ちます。自然とつながること「生」や「死」を学んでいき、自分もその中の一部として生きていることを実感していきます。また乳幼児クラスのうちから外遊びを日常化し、にんげん力を持つための基盤作りをしていきます。
(2)コミュニケーション学習
対人コミュニケーション力を身に着けるために、園と子供たちの間は「すべての人に挨拶しよう」というルールを作っています。こういった試みの成果として、子供たちは実際に目をみて話すことが自然とできるようになっていきます。実際の事業では「商店街ツアー」などで地元の人たちと触れ合いをもったり、月に1回の「銭湯入浴」で皆でお風呂に入り、開放的な空間でコミュニケーションする心地よさを学んでいきます。
(3)5つの環境を整える
またどろんこ会では、育児のための5つの環境を整えています。
- 「静」の環境。座禅などを通して、待つことができるよう育てます。
- 「動」の環境。遊具を使わず、素材を生かした遊びをさせることで発想力を育てます。
- 「畑」の環境。毎朝園庭であるどろんこ農園で野菜を耕し、食べ物の大切さを学びます。
- 「生」の環境。園庭で飼育されているヤギや鶏、どじょうなどの生き物を通して生死を学びます。
- 「地域」の環境。様々な人と触れ合うことにより、コミュニケーション能力を育てます。
こうした5つの環境を整えることで、子供たちがのびのびと成長することができるのです。
(4)はだし育児
どろんこ会の最大の特徴でもあると言えるのが、この「はだし育児」です。どろんこ会では基本的に園内・園庭をはだしで歩きます。はだしで歩くことで5歳までに土踏まずをしっかり作り、O脚を防いで丈夫な足腰を形成します。運動靴に頼らず、自分の足でしっかり土を踏んで力強く歩く感覚を子供たちに覚えさせていきます。
(5)異年齢保育
午前活動・午後活動における遊びや昼食、昼寝といった行動を3、4、5歳が分け隔てなく混ざりあって行います。年齢を問わず、子供たち自身が遊ぶ相手や場所、内容を決めることで主体性や自主性を高めていきます。
どろんこ会に見る保育事業の未来
どろんこ会は昔では当たり前にできていた自然とのふれあい、人との密なコミュニケーション、自分の体を最大限に使った遊びの大切さと重要性を今一度提唱し、子供たちにその機会を与えるきっかけを作り続けています。この取り組みが、保育現場のなかに「預ける保育」から「育てる保育」という流れをもたらしました。今後のどろんこ会のさらなる現場拡大と活躍に注目です。
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